アリーナの無茶修行(お仕置き)

風鴇能太


 ブライは広いひとつの部屋を取った。身分の低い侍女が別の部屋をあてがわれるのは不自然だという。
 この宿屋に風呂はない。部屋に備え付けの大きな桶に湯を張って、その中で身体を洗うのだ。アリーナは、ふたりの男の目の前で身体を洗わなければならなかった。
「あなたのヌードなど、10年前から見飽きています。今さら恥ずかしがることもないでしょう」
 乙女心の分からない朴念仁、とアリーナは思った。乙女心を蹂躙しようと企むサディストとは、思わなかった。
 しかたなく、ふたりに背を向けて踊り子の服を脱ぎ――アリーナは愕然とした。腕輪や首輪が外せないのだ。
 呪われたアイテムかと思ったが、そうではないとブライが説明した。
「自分では外せないというだけで、儂の持っている鍵を使えば外せますぞ」
 しかし、たとえ身体を洗うときでも不意打ちに備えて最低限の武器と防具を身につけているのが武術家のたしなみだと言われた。武器は――アリーナの場合は素手だから問題ない。
 身体を洗い終えたアリーナは、踊り子の服を装備せずにバスタオルを身体に巻きつけた。
「せっかく選んでくれた防具だけど、タイツと胴着だけのほうが、動きやすいと思うの。レベルが上がったから、すこしくらい守備力が減っても、もう大丈夫だし」
「会心の一撃を連発したのは、胴着が破れてからでしたね」
「それは、そうだけど……身体は動かしやすいけど、やっぱり恥ずかしいから」
「恥ずかしいとは?」
「だって……無駄な動きがあるからだってクリフトは言うでしょうけど……恥ずかしいところが見えてしまうのは……やっぱり、恥ずかしいから」
「恥ずかしいところ?」
「あの……」
 誘導されているとは気づかずに、アリーナは失言してしまった。
「たとえば、ヘアーとか見えてしまうし」
「ああ、なるほど。下の毛が露出すると恥ずかしいのですね」
「やだ。そんな、はっきりと言わないで……」
「いや。闘いに関することです。はっきりさせなくては。下の毛が露出しないようにしたいと、姫様……おっと、ピンクは言うんだね」
「……そうです」
「それは簡単に解決できますぞ」
 待ってましたと、ブライが言う。
「下の毛を剃ってしまえば、どんなに激しく動いても大丈夫ですぞ」
「違う……!」
「なるほど、そのとおりだ。さっそく剃ってしまいましょう」
 アリーナの言葉を無視して、ふたりの会話が弾む。
「冗談じゃないわ。わたしが言いたいのは……」
 ブライは道具袋から毒蛾のナイフを取り出した。ブライの攻撃。アリーナは痺れて動けなくなった。
「下の毛が見えるのが嫌だと言うから剃ってやろうとすれば、それも嫌だという。気まぐれにつき合わされるのは、もう結構じゃ」
 ブライは道具袋から鎖を取り出した。仰向けに倒れているアリーナの膝を折り曲げて足首と手首を鎖でつないだ。アリーナは、開脚して腰を突き出した姿勢で拘束されてしまった。
「う、ぐ……」
 革リングは枷だったのだと、アリーナは気づいた。と同時に、ふたりの意図にも気づかざるを得なかった。これまでのふたりの仕打ちが、はっきりと理解できた。
「おや、怖い顔をして、どうかしたかな?」
 ブライは毒蛾のナイフをアリーナの股間にあてがった。ブラウンがかった金色の柔毛が、はらはらと床に散った。アリーナは恥毛を失った。
「終わったぞ。クリフト、キアリクでもかけてやれ」
 しかし、クリフトはアリーナの様子を見ている。
「この娘、敵意丸出しの形相ですよ。自由にしたら、何をするかわかりません」
「何をしたところで、儂らにかなうはずがなかろう」
「お城に戻りさえしなければ、そうですが」
 たとえ素っ裸でも城へ逃げ戻って、ふたりを厳罰に処してやる。死刑はかわいそうだから――遠国からハイレベルの魔法使いを招いて、永久モシャスでスライムにしてやる。アリーナは怒り狂っていた。
「城へ戻るよりクリフト様のおそばにいたいと思うようにしてやれば良いではないか」
「なるほど。試してみましょう」
 クリフトは裸になった。
「な、なにをするつもりなの!」
 アリーナは麻痺が解けた。しかし、動けなかった。
「女としての経験値をたっぷり注ぎ込んであげるのです」
 クリフトは、アリーナのクレバスを指で弄んだ。
「ここへ……」
 クリフトの指が股間を穿った。
「いやっ……痛いっ……指を抜いてえ!」
「痛いですか。では、気持ちよくしてさしあげましょう」
 クリフトは、クリトリスの包皮をめくった。ブライは毒針を手に取った。
 ぷすうっ……会心の一撃。アリーナの全身が痙攣した。
「ザオラル」
 アリーナは生き返った。
「あとはホイミでじゅうぶんに回復しますね。しかし……ベホイミ」
 アリーナは全快した。あり余った回復パワーがアリーナの体内を駆け巡って、あらゆるところを充血させた。
「あうう……」
「気持ちいいでしょう。もっと良くしてあげますよ」
 クリフトはアリーナを貫いた。アリーナは処女を失った。
「もう、許して。お城へ帰して。何も言わないから……」
 アリーナは鎖をほどかれた。しかし、うつ伏せにされて、また鎖をつながれた。
「城へ帰りたくなくなるほど気持ちよくしてあげますぞ」
 ブライは、アリーナのアヌスを犯そうとした。しかし、勃たなかった。
「ええい、歳はとりたくないものじゃ。スカラ!」
 ブライのペニスが硬くなった。ブライは、アリーナを後ろから貫いた。
 いきなり二つの処女を奪われて、アリーナは呆然としていた。高いプライドは、泣き叫ぶことをみずからに許さなかった。しかし、そのプライドを打ち砕かれては、どうしていいか分からない。ブライの蹂躙は苦痛と屈辱しか感じなかったが、クリフトの侵入には、快感が無かったといえば嘘になる。だが、すべてを投げ出してクリフトに服従してもいいとまでは思わない。
 アリーナの呆けた表情から、そういった心の動きをブライはすべて読み取っていた。
「これだけ優しくしてやっても、まだ分からんようだな。飴と鞭の、つぎは鞭の出番じゃな」
 アリーナは鎖をほどかれた。革の枷だけを着けた全裸で、宿の裏庭へ引き出された。2本の木のあいだに、アリーナは大の字に吊るされた。
「妙な事を口走られてもまずいぞ。しばらく黙っていてもらおう」
 ブライはアリーナのタイツを道具袋から取り出した。丸めて口に突っ込み、余った長さで頬を縛った。
 宿の主人や泊り客が、異変に気づいて裏庭へ出てきた。
「夜分にお騒がせして申し訳ありません」
 素っ裸で縛られている少女の前で、クリフトが穏やかに挨拶をする。
「この侍女は、武術の修行をいやがって逃げようとしました。根性を叩き直してやるところです。興味のある方は、遠慮なくご見物ください」
 観察力の鋭い者は、少女の股間を伝う赤い筋と白濁に気づいたかもしれない。だが、宮廷魔術師と神官の威光に逆らおうとする者はいなかった。むしろ――滅多に見られない見世物を見逃すまいと、眠気など吹っ飛ばして3人を遠巻きにするのだった。
「私たちは、おまえに反省など求めはしない。私たちに逆らえばどうなるか、身をもって思い知ってほしいだけだ」
 クリフトがさがると、ブライがいばらのむちを構えた。
 ビシッ!
 アリーナの幼い乳房が跳ね踊った。
「ううっ!」
 2撃目ははずれた――のではなく、乳首だけを正確に打った。
「んぎあっ!」
 厳重に封印されたはずの唇から悲鳴がほとばしった。
「つぎは、ちょっと厳しいぞ」
 ブライは、鞭を下手に構えた。跳ね上がった鞭は、アリーナの股間を襲った。
「んがううう!」
 アリーナは瀕死の重傷を負った。
「ホイミ」
 アリーナは回復した。いばらの鞭が、今度は脇腹を抉る。
 ――折檻は、クリフトのMPが尽きるまで続いた。
 クリフトとブライは部屋へ引き上げ、アリーナは瀕死で宙吊りにされたまま朝を迎えさせられた。
 夜が明けるとホイミをかけられ、踊り子の服を与えられた。ほんものの踊り子でも恥ずかしがるほどに改造されたコスチュームを身にまとい、アリーナはふたりのサディストを満足させるだけの武者修行に引き立てられるのだった。



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